この人にきいてみた

この日は雨で、さらに少しまだ肌寒さが残る天候でした。こういった日は空と同じように心もジメジメしてしまいがちです・・・。そんな日は美味しいコーヒーでも飲んでこころも身体もリフレッシュしましょう！

というわけで訪れたのは、２０１８年１月、福住の旧街道にオープンしたマグナムコーヒーさん。昔の芝居小屋を生かす形で改築した店内には、木がふんだんに使われています。大きな焙煎機が印象的な、オシャレで統一感のあるとても良い雰囲気のお店でした。

「MAGNUM COFFEE」さんとは

大阪心斎橋でもカフェを営んでいる古荘利治（ふるしょうとしはる）さんが福住でオープンしたオーガニックのスペシャリティコーヒー専門の喫茶店です。オープン初日は大変な大雪だったそうで、もう誰も来ないだろうとがっかりしていると、すでに有線放送でオープニングイベントの話を聞いていた地元の方々が、軽トラでたくさん来てくれたという素敵なエピソードを教えてくださいました。
　店にあるストーブは底冷えする篠山の寒さを心配した地域の方々が持ち寄ったもの。コーヒーを通じて交流の場、憩いの場としてどれほど愛されているかが伝わってきます。

コーヒーへのこだわり

マグナムコーヒーで味わえるのは、オーガニックなスペシャリティコーヒー。
コーヒーの栽培から始まって、一杯のコーヒーとして提供されるまでの工程に、それぞれのプロが携わり、選別を重ねた最高のコーヒーです。
コーヒーは店主自らブラジルの農園に足を運び、選び抜いた豆を使っています。
「例えば、スペシャルティでもっとボディのある味をと頼んだら、そのように仕上げてくれるプロフェッショナルな農園主が世界にはいるのです。いつか自分だけの味をかなえてくれる農園主の腕をかりて、一緒に世界一のコーヒーをと考えています。」とのこと。
更にラテに使う牛乳も、フードメニューにあるホットドッグのソーセージも、オーガニック又はNON-GMO(＝非遺伝子組み換え)とこだわっています。
　この日私たちがいただいたのは、カフェラテ。味はもちろんですが、美しいラテアートも素敵ですね。

「WE ARE WHAT WE EAT」

「私たちは私たちが食べているものでつくられている」。誰もが安心して飲食できるには天然素材であることが重要であると考えから、マグナムコーヒーさんが大切にしておられる言葉です。個人店であるからこそ、それぞれの素材を作る人々と直接顔を合わせることができ、互いに信頼し合えるからこそできることだ、と古荘さんはおっしゃいます。
　またそうすることで、自身が自らの提供しているメニューについてすべて説明できるようになることにもつながるということで、私たち提供される側としてはこれ以上ない安心感を持つことができます。

どうして篠山で・・・？

もともとは大阪心斎橋でカフェを営んでいた古荘さん。「どうして篠山で？」と尋ねると、自分の手で焙煎してコーヒーを入れたいという想いから、焙煎ができる広い場所を探していたところ、偶然見つけたのが篠山だったというお答えが。
あくまでも篠山でカフェを始めたのは、たまたま！
「僕の人生は行き当たりばったりなんです。思い立ったらやる。人生１度きりなのだから好きなことをしなきゃ。」と話す古荘さんらしい理由でした。

篠山での暮らし

こうして、篠山に移住してきた古荘さん一家。
「さっき宅急便来たで～。」と教えてくれるおばあさんがいること。一致団結してはじめて優勝した村の運動会の感激。近所の方々がよく気にかけてくれること。少し内気で篠山に来た当初は大阪を恋しがっていた娘さんが、最近では初めての習い事としてギター教室に行くようになったこと。古荘さん一家にとっては、この町の温かい雰囲気が心地よいそうで、篠山での暮らしをとても楽しんでいる様子が伝わってきました。

篠山の魅力

大阪から移住される前、古荘さんは篠山は閉鎖的な土地柄かもしれないと思っていたそうです。ですが、実際に篠山で生活する中で、畑で撮れた野菜をおすそ分けしてくれるなど、わけへだてなく接してくださる方が多いこと、個性的で、面白く、良い人がたくさんいる町だと感じていることを語ってくださいました。
また、やはり篠山の自然豊かなところも魅力的であるとも話してくれました。空気が新鮮でおいしいこと、どこからともなく鳥の鳴き声が聞こえること、緑の美しい景色なども挙げてくださいました。夏には蛍が飛ぶきれいな風景に、冬には雪が積もり何も音がない状態世界に感動し、日本でしか味わえない四季を感じることができる場所であると思うそうです。
カフェに来てくださるお客様の中には、篠山の方だけでなく、大阪や京都からバイクなどでツーリングを楽しんでいらっしゃる方も多く、アクセスが良いことも魅力です。

たくさんの方と交流できる憩いの場として、篠山だからできる空間づくりも心惹かれる部分ですね。

移住を考えている方へのメッセージ

「行動してみなければわからないことはたくさんあります。来たいと思ったら来ればいい。もし自分に合わないと感じたなら帰ればいい。移住を考えている方がいたら、まずは篠山に来てください！
また、これからの時代、飲食店は郊外が面白いのではないでしょうか。都心ではできない空間づくりができますし、お客さんはきっとそういった個性のある店に魅力を感じてくれるはずですよ。」
例え、周りに何を言われても自分の好きなこと・やりたいことを追求してきたという古荘さん。
「まだまだ僕の人生のおもしろい話はたくさんあるから、続きは今度また。」
貴重なお話ありがとうございました！