この人にきいてみた
鈴木恵美(すずきえみ)さん 革工房mimiオーナー
今回、私たちはフィールドワークという授業の一環で篠山市にある里山工房くもべという施設の中にある革工房mimiさんに御邪魔しました。そして革工房mimiの鈴木恵美(すずきえみ)さんにインタビューをさせていただきました。
鈴木さんは、元は高砂市に住まれていた方で、仕事で姫路市の革工房で働かれていました。姫路市は革も有名で、オーダーメイドのものを作成していました。仕事として革製品を作っていく中で、自分の作りたいものを作りたいという想いから、独立を決めました。そして、高砂市にある古民家を借りて自分で革製品を作成されていました。
移住のきっかけ
篠山市に移住するきっかけとなったのは、周りに新しくお店がたくさんでき、古民家も古いなど様々な理由もあったそうですが、知り合いの女性の陶芸家の方に、篠山市を薦めてもらい、篠山市はクラフト作家の移住者が多いということもあって移住を決められたそうです。
篠山市という場所は、地元の方との関係がとても大切で、地元の方のところに自分から入っていかないと、クラフト関係で子供がいない人は地元の人と接点がなくて出て行ってしまうこともあるということで、関係作りは大切です。
篠山の魅力とは
そして、鈴木さんに、篠山の魅力について教えていただきました。そこには、職人ならではの魅力や、ほかの地域から移住してきたからこそ感じる魅力がありました。
また、革職人の鈴木さんならではの篠山の魅力に関するお話が聞けました。篠山は観光地としてやっていこう、という姿勢があり、制作をしている人への支持があるそうです。確かに、夢を叶えるためのサポートがあるというのは心強く、魅力的です。
では、生活面はどうなのでしょう。こちらもしっかりと教えていただきました。魅力とちょっと大変なことも一緒に。ちょっと大変なこと。それは、光熱費や水道代が高いことや、冬に雪が降って、雪かきをしたり、凍結してしまうこと、だそうです。もちろんいいなと思うことはたくさんあります。篠山は気温の差が大きいため、野菜が美味しいこと、その野菜を近所の方におすそわけしてもらえること、我慢強くて真面目な人が多いこと、などなど。
また、母親でもある鈴木さんによると、子育てもしやすい環境なのだそう。篠山は近所の方からの野菜のおすそわけを頂けることからもわかるように、コミュニティの繋がりが強い地域です。だから、子育てもみんなで一緒にやろうという意識が強く、助け合いながら子育てができるのです。
このように、インタビューしていく中で、様々な篠山の特徴や魅力が明らかになりました。まずは、地元の方と交流して、親睦を深める。そうすることで、篠山の魅力を最大限に感じることができるのではないでしょうか。
皮製品を通じた繋がりを
最後に、革職人として働いていく中で感じたことを教えていただきました。
革職人の仕事をしていると、やはり大変なこともあります。ですが、革製品を作り、出来上がったものを商品として並べお客さんに選んで買ってもらうことで、お客さんだけでなく、鈴木さん自身も幸せになれるそうです。鈴木さんが作る革製品には、エコレザーと呼ばれる革を使われています。他とはひと味違うデザインで、ほっこりとする手作り感が、鈴木さんの革製品の魅力です。お金と革製品の交換だけでなく、鈴木さん自身がお客さんと密に関わって、お客さんの役に立てること。それが革職人の仕事のやりがいだそうです。
篠山では、地元の方のコミュニティに参加して、交流を深めていくことが大切です。鈴木さんの革工房mimiは、革製品を通じて、人々の繋がりが生まれていく、素敵なお店だと感じました。
革工房mimi
兵庫県篠山市西本荘西ノ山2-1 日曜のみ営業 11時~15時
2018年6月22日
聞き手 兵庫県立大学環境人間学部 井上茉優, 船引雄斗, 山下真由子