波々伯部(ほうかべ)神社 万燈会

先祖供養と、さまざまな願いをこめて献灯をささげる波々伯部神社の万燈会。
今年は9月22日に開かれました。

夕方の境内には大きなテントが幾張りもならび、
社殿では神事が執り行われていました。

神事がおわると、およそ2000灯の燈明に灯がともります。
献灯するひとの名前が添えられ、整然と並べられた灯明に
氏子のみなさんが、ひとつずつ火を灯してくださいます。

ろうそくを用いた燈明は多いのですが
波々伯部神社では、金属の小皿に菜種油を満たし、
いぐさの芯を浸したものを用います。
無数の炎が揺らめき、油面に幾重にも反射する光に満ちて、
大変幻想的で不思議な空間がうまれます。

近松宮司さんに、波々伯部神社の縁起を教えていただきました。
素戔嗚尊をお祀りする波々伯部神社は
じつは飛鳥時代に萬楽寺として始まったのですって。
さまざまな時代の波に翻弄されるなかで
万燈会が始まったのは、明治21年。

氏子でなくとも献灯できることもあり、
地域外からも、献灯される方が増えてきたとのこと。

暮らしのなかに静かに受け継がれる美しい信仰の形です。