この人にきいてみた
福丸仁志(ふくまるひとし)さん 乗馬クラブ「マリンズステーブル」オーナー
6月1日に、私たち兵庫県立大学 環境人間学部 杉山ユニット2回生は
乗馬クラブ「マリンズステーブル」を経営されている福丸 仁志(ふくまる ひとし)さんにお話をうかがいました。
移住のきかっけ
福丸さんは、以前は北海道で乗馬クラブを経営されていました。北海道は雪が深く、1年のうち4ヶ月しか運営できなかったそうです。京都出身の福丸さんは、様々な地域を検討した結果、京都、大阪に近く、自然豊かな篠山に乗馬クラブの場所を移すことに決めました。夏は涼しく、静かにのんびり快適に過ごすことができるのが、馬にも人にも魅力的だと教えてくださいました。
1日の来客数は、天候に左右されますが、平均して3~4組。多くは大阪、京都、兵庫は川西から来られます。
マリンズステーブルは日本でも数少ないウエスタン乗馬を体験できる乗馬クラブで、1組1頭、フィールドには1組、馬とじっくり向き合う時間があることが、他の乗馬クラブとは違う、最大の魅力となっています。人懐こく穏やかな馬とのふれあいに魅せられたリピーターも多いそうです。
移住のメリット/デメリット
馬たちが落ち着いて暮らせる、ストレスの少ない環境を求めて雲部に来られた福丸さん。馬たちにとっての理想の環境での暮らしは、例えば買い物など、人間の日常生活の面で考えると、むしろ不便な点が多いのではないでしょうか。
「もちろん自家用車は欠かせないわけですが、日常生活ではさほど不便であると感じたことはありません。専門的な馬術用品についても、そもそもが特殊なものですから、インターネット等を利用して取り寄せることがほとんど。乗馬クラブの立地が、篠山であっても北海道であっても、その点は変わりません。」
交通量の多い道路から離れて、鳥のさえずりがいつも聞こえる環境は、馬たちだけでなく人にとってもストレスのない快適な環境だと語る福丸さん。
そういえば、と、台風で大木が倒れて馬小屋が被害に遭ったことや、ツキノワグマとの遭遇など、驚くようなエピソードを笑いながら話してくださいました。
ウェスタン乗馬に魅せられて
多くのクラブでは観光乗馬が主流の中、マリンズ・ステーブルでは本格的な乗馬の技術を基礎から教えてくれます。そこには、福丸さんの願いが込められているんです。それは・・・「馬の気持ちを理解して動かしてほしい!」ということです。
福丸さんが馬に魅せられたきっかけは北海道への転勤でした。そこで、ウエスタン乗馬に出会い、魅了されます。
乗馬のスタイルは、ウエスタンとブリティッシュにわけられます。私たちがテレビなどで目にする多くはブリティッシュ乗馬です。福丸さんが出会ったウエスタン乗馬はブリティッシュ乗馬よりも自由で、おだやか。馬を「制御する」ブリティッシュとの大きな違いは、「馬に考えさせるかどうか」という点でした。馬のことを知ってほしい、馬術や馬の気持ちを学ぶことができる乗馬クラブを、と福丸さんは願われたのでした。
馬はとても賢い動物で、数種類なら言葉も覚えられるそうです。すごいですよね。
ドイツ・オランダ・イギリスでは乗馬を楽しむ人も多く人気のあるスポーツですが、日本や東南アジアではまだまだ少ないとのこと。オリンピックなどにある馬術競技の放映時間が少ないのもこのあたりにあるそうです。
とてもすてきな馬たちが待っています。
興味をもったみなさん、ぜひ行ってみてくださいね。
マリンズズテーブル
兵庫県篠山市佐貫谷427 TEL /予約 080-3774-6958
http://marins-stable.com//
2017年6月1日
聞き手 兵庫県立大学環境人間学部 坂本荘,田中康介,中山亜美,中山瑞稀