この人にきいてみた

佐々木幹夫(ささき みきお)さん NPO法人SHUKUBA 理事長 / 岸田万穂(きしだ まほ)さん NPO法人SHUKUBA 理事

元福住小学校の門をくぐると『SHUKUBA』の看板が見えてきます。木でできており、オシャレでありながらまるで私たちを出迎えてくれているような温かみを感じます。___
__本日はそんな『SHUKUBA』の理事長を務める佐々木幹夫さんと理事の岸田万穂さんにお話を伺いました。

【0から作り上げてきた『SHUKUBA』】

きっかけは6年前の福住小学校の閉校。その跡地をどのように活用するかを話し合ったときに、「地域で活用していきたい」という思いで集まった人たちで立ち上げたのが『NPO法人SHUKUBA』なのだそうです。『みんなでつくる』のコンセプト通り、岸田さんは「地域の方々に気軽に利用してほしいです」と気軽にを強調して話してくれました。SHUKUBAでは、その取り組みの一環として地域のジオラマ制作も行っているそうですが、これは地域の方に積極的に関わってもらいながら制作を進めているとのこと。まさに『みんなでつくる』というコンセプトにぴったりの心温まるエピソードを教えてくれました。

また、佐々木さんは仕事柄普段から多くの人と話す機会があり、そのことがやりがいだとも教えてくれました。たくさんの人々と関わってきたからこその温かな雰囲気を感じました。

さらに、『SHUKUBA』には見ていると温かさを感じるとてもかわいいロゴがあります。「みんなでつくる文化と暮らしの学校」という福住の方々の思いを凝縮したこのロゴもまた必見です!

【Welcome精神全開!な人々の中での暮らし】

福住の魅力を尋ねると、お二人とも口をそろえて、「福住の人はとてもWelcome精神がある」と言います。宿場町はもともと社交的で、優しく親切で世話好きな人がとても多いそうです。また、文化や伝統を大切にしつつも、変化に対して恐れがないのだとか。様々な人が入れ代わり立ち代わり出入りする宿場町だからこその精神だなと感じました。さらに、他力本願ではなく自ら行動する人が多いということもお聞きました。跡地活用や伝建地区の町並み保存会などの新しい課題が出るたびに、何を守るか、何に力を入れて取り組むかを皆さんで考えて選択されているそうです。佐々木さん、岸田さんのお話を聞いて、福住の皆さんの協働の精神がひしひしと伝わってきました。

【移住を考えている人へのメッセージ】

佐々木さんからは、「各集落に1人ずついる移住推進員や地域の方に、移住を考えている時も移住してきた後も何でも気軽に相談してほしい」との心強いメッセージをいただきました。また、実際に移住してきて自身も地域の人にお世話になったという岸田さんからは、「頼ることで地域の人と交流しやすくなると思います。地域の方も助けてあげたいけど、言われないのにするとおせっかいかな…と様子を見ながら心配してくれている方もいらっしゃるので。」とのお答えがありました。

さらにSHUKUBAには、移住歴10年の安達さんという方が作成されたパンフレットもあります。移住してこられた方の現在の暮らしや、年間行事など福住地区での生活をよりリアルに、より身近に感じることができます。
気になる方はぜひ、一度SHUKUBAを訪れてみてください!

【今後に向けて】

SHUKUBA全体としては地域の歴史を紐解く古文書講座や加工所等の現在行っている活動を引き続き行いながら、地域の方の利用も増やしていきたいとのことでした。また、「地域住民の方や視察の方に向けて行うテナント入居者の紹介も年に数回開催していきたいです。」と今後の新たな取り組みに向けての熱意も伝わってきました。

お二人の個人の目標としては、佐々木さんからは地域の荒れてしまっている田、畑や竹林の利活用を考えていきたいとのお答えがありました。岸田さんからは、今後も竹や木を使った作品づくりをしていきながら、「地に足をつけて、安定した仕事と生活を作っていけるよう頑張りたいです。」と今後への意気込みを語ってくださいました。

インタビューにご協力いただきありがとうございました!

NPO法人SHUKUBA(旧福住小学校)
〒669-2513 兵庫県丹波篠山市福住342
TEL. 0795-50-9082
ホームページ:shukuba.life

2022年10月2日 
聞き手 兵庫県立大学環境人間学部 足立陽菜, 木村芽生, 新元里奈, 谷水さら