この人にきいてみた

今井めぐみ(いまい めぐみ)さん 丹波篠山観光協会 職員 / 東部六地区戦略会議 座長

電柱のない景観が広がる大手通り_____
その一角にある『大正ロマン館』は綺麗であると同時に和服で歩きたくなるような趣を感じる建物でした。そして今回は、そのすぐ目の前にある『丹波篠山観光協会』で、今井めぐみさんにお話を伺いました。

まずは、お仕事の話から。
今井めぐみさんは、普段観光協会でお仕事をされていますが、東部六地区戦略会議という丹波篠山市の東部地区の活性化を若者の立場から考える会議の座長も務めておられます。

【観光協会のお仕事に出会ったきっかけ】

今井さんは丹波篠山に移住してから暫くの間は、以前から勤めていた結婚式関係のお仕事を続けていたとのこと。その後、通勤距離や子育てのことを考えて、同じ結婚式関係の仕事をリモートで行える会社に転職されました。それから1年ほど同じ仕事を続けられたそうですが、リモートワークは一人きり。雑談もできないことで寂しさも感じる中、「やっぱり人と話す仕事がしたいな!」と思われたそうです。そんな矢先、ご家族から「観光協会が職員を募集してるよ」と教えたもらったことがきっかけで、丹波篠山市の観光協会で働き始めたそうです。現在は広報担当として働かれており、前職で学んだ広報に関する知識が役立つことが多いと話してくれました。

人と話したいと思っていた中で偶然出会った観光協会のお仕事。前職で身につけたスキルも活かせているとのことで、今井さんと観光協会との出会いは、まさに運命の出会いだと感じました。

【東部六地区戦略会議の座長となるまで】

今井さんは東部六地区戦略会議の座長になるまでは、その基になる東部六地区協議会に観光協会の仕事として参加していました。その中で「今井さん、戦略会議の座長やったらどう?」という話があり、いろいろと考えた末に引き受けることにしたそうです。はじめは、まちづくりに詳しい訳でもないし、地元出身でもないことから、「なんで私だったんだろう!(笑)」と思っていたとのこと。ですが、そうした立場だからこそ「みんなの意見が平等に聞ける面があるんじゃない?」と周りの方から言ってもらったそうです。今井さんは、「よその目線。地元に染まっていない目線がいいのかな。」と言います。

現在は、ハートピアセンターという市の東部にある大規模施設の活用方法について話し合いを進めています。目標は“過疎からの脱却!”とのことで、「机上の空論だけではなくて結果を出したい」と話されており、そのお話から今井さんの並々ならぬ熱意が伝わってきました。

【丹波篠山の魅力は!】

丹波篠山の1番の魅力_____それは、丹波篠山で暮らす人。
丹波篠山に豊富にある食材でも開けている綺麗な景色でもなく、「ここで暮らしている人」なんだと今井さんは教えてくれました。

丹波篠山には、お米はもちろん、栗や黒豆など美味しいものがたくさんあります。しかし、1番の魅力は、それらの食材を一番美味しいときに食べてもらいたいという熱い思いを持った人だと言います。多くの観光地では食材のシーズンが過ぎても冷凍したものを提供することで、より長い期間に観光客に食べてもらおうとするのが一般的です。しかし、丹波篠山の人は、食材のシーズンが過ぎると「今、時期じゃないよ」とあっさり答えるのだそうです。これは、お客さんに冷たいのではなく、「100%のいいものを食べてほしい」、そして「それを好きでいてくれるお客さんを大切にしたい」という熱い思いから来るものです。

今井さんのお話を聞きながら、丹波篠山の人は人情に溢れた温かい人たちで、とても魅力的に感じました。

【移住のきっかけ、そして今の『暮らし』】

今井さんの丹波篠山への移住のきっかけは旦那さんの実家が丹波篠山にあったこと。はじめはマイナスの気持ちも大きく、休日には丹波篠山から出ることも多かったという今井さん。しかし、お米が美味しかったり、自由に過ごせる場所が多かったりと丹波篠山という場所に徐々に魅了され、今では日の出と共に起きて、日が沈んだら帰るという自然体の生活が心地よくすらあるそうです。

住んでいたら気づかないけれど、外に出るとその魅力や自分の変化に気づく。丹波篠山はそのような魅力的な場所だと今井さんは語ってくれました。そして、周りとのつながりを嫌がらない人は丹波篠山への移住に向いていると教えてくれました。ただ、今井さん自身は人とのつながりを持つのは好きだけど、オフになりたいときもあるそうで、そんなときには家族と一緒に市外や県外へとお出かけするそうです。

ずっと居続けるだけではなく、たまには街の外に出かけるなど様々な過ごし方が出来るのも丹波篠山の魅力だと感じました。

【これからの目標】

これからの目標について尋ねると、
“今井さんが来て、丹波篠山が変わったよね”と言ってもらえることだとのお答えが。
自分の活動が東部六地区の活性化につながり、「沢山の移住者が来て、“憧れの観光地”になれたら嬉しい。」と笑顔で語ってくださいました。

インタビューにご協力いただきありがとうございました。

丹波篠山観光協会
〒669-2332 兵庫県丹波篠山市北新町97
TEL. 079-506-1535

2022年8月19日 
聞き手 兵庫県立大学環境人間学部 足立陽菜, 木村芽生, 新元里奈, 谷水さら